ボンド(読み)ぼんど(その他表記)Edward Bond

デジタル大辞泉 「ボンド」の意味・読み・例文・類語

ボンド(bond)

証券株券債券公社債
鉄道線路レールの断ぎ目で、電気回路の保持のためにつなぐ電線。
Bond接着剤の商標名。
[補説]英語では、契約、保証、約束、きずなの意。

ボンド(James Bond)

イアン=フレミングの一連のスパイ小説の主人公の名。英国の秘密情報部MI6に勤務し、「007」のコードネームで活躍する。映画化された作品も世界的にヒットし、シリーズ化されている。ジェームズ=ボンド。

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精選版 日本国語大辞典 「ボンド」の意味・読み・例文・類語

ボンド

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( [英語] bond )
    1. 証券。株券。〔外来語辞典(1914)〕
    2. 電車路線のレールとレールを電気的に接続するもの。〔電気工学ポケットブック(1928)〕
  2. [ 2 ] ( Bond ) 接着剤の商標名の一つ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボンド」の意味・わかりやすい解説

ボンド(Edward Bond)
ぼんど
Edward Bond
(1934―2024)

イギリス劇作家労働者階級の子としてロンドンに生まれ、工場などに勤めながら戯曲を書いた。1962年『法王の結婚式』がロイヤル・コート劇場で上演され、ついで『救われた』(1965初演)で注目されたが、劇中、不良少年たちが乳母(うば)車の赤ん坊に石を投げて殺す場面が物議を醸し、上演禁止処分を受けた。しかし、これが一つの契機となってイギリス劇壇の検閲制度が廃止され、また彼はハロルド・ピンターらと並んで1960年代のイギリス演劇を代表する劇作家の一人となった。以後、ビクトリア女王とその宮廷を風刺した『早朝』(1968)も上演中止となったが、このほか日本人バショー(芭蕉)を主人公とする『奥の細道』(1968)、シェークスピアの『リア王』を暴力的な闘争劇に改作した『リア』(1971)、晩年のシェークスピアを扱った『ビンゴ』(1973)、エウリピデスの『トロイアの女』を下敷きにした『女』(1978)、『いくつもの世界』(1979)、『王政復古』(1981)、『夏と寓話(ぐうわ)』(1982)、『戦争三部作』(1985)、『二編のポスト・モダン劇』(1990)など、力強い実験精神をグロテスクなユーモアで包みながら現代文明のゆがみを衝撃的に描いて精力的な活動を続けた。

[中野里皓史・大場建治]

『『現代演劇・90――特集エドワード・ボンド』(1980・芸術社新社)』

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改訂新版 世界大百科事典 「ボンド」の意味・わかりやすい解説

ボンド
Edward Bond
生没年:1935-

イギリスの劇作家。政治的には社会主義を標榜(ひようぼう)し,演劇的にはブレヒトの影響を受けて古風なリアリズムを否定する。人間の暴力性や社会構造の悪を鋭く摘発し,衝撃的な題材を好んで取り上げるため,商業的には成功しておらず,しばしば保守的な観客に批判される。作品には《救われて》(1965),《奥の細道》(1968),《リア》(1971),《ビンゴ》(1974),《王政復古》(1981)など,いずれも残酷で苦いユーモアをたたえている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボンド」の意味・わかりやすい解説

ボンド
Bond, Edward

[生]1935.7.18. ロンドン
イギリスの劇作家。多くの習作を経て,『救われて』 Saved (1965年の公演は上演禁止となり,69年再演) ,『朝まだき』 Early Morning (68) ,『奥の細道』 Narrow Road to the Deep North (68) ,『リア』 Lear (71) などを発表,現代社会における暴力や狂気の問題を追究した作品が多い。ほかに,核戦争後を描いた"The War Plays" (85) など。

ボンド
Bond, Sir Edward Augustus

[生]1815.12.31. ミドルセックス
[没]1898.1.2. ロンドン
イギリスの古文書学者。 1833年イギリス公文書館に入り,38年大英博物館手稿文書部に移った。 66年同部部長。 78~88年大英博物館館長。蔵書目録の出版などに尽力。この間 E.トムソンとともに古文書学会を創設。伝統的古文書学に近代科学の方法を導入し,近代古文書学の規範的分類法を確立した。

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