労く(読み)イタズク

デジタル大辞泉 「労く」の意味・読み・例文・類語

いたず・く〔いたづく〕【労く】

[動カ四]平安時代は「いたつく」とも》
あれこれと心をくだく。努める。
「とかうものすることなど、―・く人多くてみなし果てつ」〈かげろふ・上〉
世話をする。いたわる。
「かくてねむごろに―・きけり」〈伊勢・六九〉
疲れる。また、病気になる。
「―・キ参ラセ候」〈日葡

いたつ・く【労く】

[動カ四]いたずく

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「労く」の意味・読み・例文・類語

いたつ・く【労】

  1. ( 「いたづく」とも )
  2. [ 1 ] 〘 自動詞 カ行四段活用 〙
    1. 苦労する。ほねをおる。
      1. [初出の実例]「とかうものすることなど、いたつく人おほくて」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
    2. 疲れる。悩む。病気する。
      1. [初出の実例]「教化、労(イタツケ)るかな。末世を開導(みちびくこと)、寔に此れ冀(ねがひ)と為(す)」(出典:大唐西域記長寛元年点(1163)五)
  3. [ 2 ] 〘 他動詞 カ行四段活用 〙
    1. 煩わす。労する。動かす。
    2. いたわる。大事にする。世話をする。
      1. [初出の実例]「かくてねむごろにいたつきけり」(出典:伊勢物語(10C前)六九)

いたず・くいたづく【労】

  1. 〘 自動詞 他カ四 〙いたつく(労)

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