教化(読み)きょうか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

教化
きょうか

言葉としては中国の古典に由来し,日本ではすでに『日本書紀』のなかに出てくる。元来は人を導いて善に転させることを意味し,仏教でも「きょうげ」として用いられる。江戸時代中期以後は社会教化の意味が濃くなり,社会教育とほぼ同義に使われるようになった。特に昭和期には,国民道徳を基調とする大衆の思想善導または社会の改善の意味に用いられ,その意味での教化を目的とする団体が数多く生れた。 (→教化団体 )

教化
きょうか

インドクトリネーション」のページをご覧ください。

教化
きょうけ

声明 (しょうみょう) の曲種名。「きょうげ」とも読む。教導感化して善におもむかせること。大衆に化益を施すことを願って,仏法僧功徳 (くどく) や法会 (ほうえ) の趣意を説く。平安中期には成立していた。本来は法会に応じて導師がその都度字句を作るものであるが,現在では法要ごとに特定の詞句が定着し,その種類も少くなった。

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デジタル大辞泉の解説

きょう‐か〔ケウクワ〕【教化】

[名](スル)人を教え導き、また、道徳的、思想的な影響を与えて望ましい方向に進ませること。「人民を教化する」「教化活動」

きょう‐け〔ケウ‐〕【教化】

[名](スル)《「きょうげ」とも》
仏語。人々を教え導いて仏道に入らせること。教導化益(けやく)。
法要の際、仏前で朗唱する一種

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世界大百科事典 第2版の解説

きょうか【教化】

〈教化〉という語は《礼記》経解篇に由来し,徳により人を善に導くことを意味する。日本では平安朝以来,仏教用語で〈きょうけ〉または〈きょうげ〉と読み,ほぼ同様に,人々を教え導くという意に使うようになったが,江戸時代に入り儒教の立場に立つ徳化を〈きょうか〉と呼び,この方が仏教用語より優勢となった。教育とほぼ同義で使われることもあるが,多くの場合,政治的権力と宗教的あるいは倫理的権威との結合により民衆を教え導くことをいう。

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大辞林 第三版の解説

きょうか【教化】

( 名 ) スル
教え導き、よい方向に向かわせること。 「道徳の説で人を-する/百一新論

きょうけ【教化】

〔「きょうげ」とも。「教導化益けやく」の略〕
人々に仏教を説いて、信仰に向かわせること。
法要の際、声明しようみようの節で唱えられる仏教の歌の一種。

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世界大百科事典内の教化の言及

【教育】より

… しかし,現実の庶民の教育機関は,教会によって組織された教会学校での初歩的な読みreading,書きwriting,算reckoning(この三つをスリーアールズ3R’sという)とともに教理問答(カテキズム)を主とする宗教=道徳教育を中心とし,社会への同化と社会秩序維持のための手段として発展し,さらに資本主義の発展に伴い,工場法による児童労働への一定の保護規定と結びついて発展する。しかし,そこでの教育は,個人の可能性を引き出すeducereという意味での教育educationというよりは,既成の価値観を注入するという意味での教化=インドクトリネーションindoctrinationに近かった。ここでは子どもの発見とは,子どもの学校への囲込みに通じていた。…

【教化】より

…〈教化〉という語は《礼記》経解篇に由来し,徳により人を善に導くことを意味する。日本では平安朝以来,仏教用語で〈きょうけ〉または〈きょうげ〉と読み,ほぼ同様に,人々を教え導くという意に使うようになったが,江戸時代に入り儒教の立場に立つ徳化を〈きょうか〉と呼び,この方が仏教用語より優勢となった。…

※「教化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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