労・請・犒(読み)ねぐ

精選版 日本国語大辞典 「労・請・犒」の意味・読み・例文・類語

ね・ぐ【労・請・犒】

〘他ガ上二〙
① (請) 神の心を慰め、その加護を願う。
書紀(720)神功摂政前(熱田本訓)「和魂を請(ネキ)て王(み)船の鎮(しつめ)としたまふ」
② 苦労を慰める。いたわる。ねぎらう。
古事記(712)中「何とかも汝の兄、朝夕の大御食に参出来ぬ。専ら汝泥疑(ネギ)教覚(をし)へよ〈泥疑二字音を以ゐる〉」
[補注](1)①の意は通常「ねぐ(祈)」に含めて考えられているが、「時代別国語大辞典‐上代編」の、他の心を慰めいたわる意を原義とし、上位に対するとき願う意に、下位に対するときねぎらう意になるとする説に従う。「続日本紀」に「禰宜」の表記のある、神職の「ねぎ」も、この上二段活用動詞①の連用形の名詞化とすれば、「宜」が乙類の文字であるのとよく合う。
(2)②は、連用形語尾の「疑・宜」が乙類の文字であるから、四段活用ではなく上二段活用と認められる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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