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ネギ

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栄養・生化学辞典の解説

ネギ

 [Allium fistulosum].ユリ目ユリ科ネギ属の多年草.野菜として,ハーブとして,広く食用にされる.

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百科事典マイペディアの解説

ネギ

中国西部原産といわれるユリ科の野菜。本来は宿根草であるが一〜二年草として栽培。葉は中空の円筒状で表面は平滑,葉鞘(ようしょう)は茎状をなし大半が地中にあり白色でやわらかい。

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食の医学館の解説

ねぎ【ネギ】

《栄養と働き》
 中国西部、あるいはシベリアが原産といわれる多年草です。
 わが国では、『日本書紀』に記載があるほど古くから知られてる野菜です。
 関東でよく利用されているのは白い部分が多い根深ネギで、代表的なものに深谷(ふかや)ネギ、下仁田(しもにた)ネギなどがあります。
 一方、関西では緑の葉の部分を主に利用する葉ネギが一般的。細くてやわらかいのが特長です。代表的なものに京都の九条ネギ、博多の万能ネギ、福岡のこうとうネギなどがあります。
〈香り成分アリシンがビタミンB1の吸収を促進〉
○栄養成分としての働き
 ネギ特有の刺激臭は、タマネギニンニクと同じアリシン(硫化(りゅうか)アリル)という成分によるもの。
 アリシンはビタミンB1の分解酵素であるアノイリナーゼの作用を受けにくくするので、胃腸内に入ったビタミンB1をむだなく吸収できるようにします。したがってビタミンB1の吸収を促進するので、疲労回復効果があります。
 アリシンには抗菌作用、殺菌作用があるので、のどの痛みやせきを鎮め、たんを切る働きもあります。また、消化をうながすので、胃もたれの改善や食欲増進にも役立ちます。
 この香りには鎮静効果もあり、ストレスを感じるときや神経が高ぶっているときはネギのスープを飲むと気持ちが落ち着きます。不眠にも効果があり、眠れないときは刻んだネギを枕元に置くとよいといわれています。
 もう1つ、アリシンの作用として、血小板の凝集(ぎょうしゅう)を抑え、血栓(けっせん)を予防することもわかっています。これはピラジンという成分によるもので、セロリやニンニク、ホウレンソウなどにも含まれています。
 この成分の働きによって、常食すると脳卒中(のうそっちゅう)や心筋梗塞(しんきんこうそく)などの血管障害が起こりにくい体質に近づきます。
 さらに、ネギにはセレンという発がん抑制物質も含まれています。セレンは水に溶けやすい成分なので、生で食べる機会が多いネギは、がん予防の強い味方となってくれる野菜といえます。
カロテン、ビタミンC、カルシウムも豊富〉
 栄養成分としては、カロテンやビタミンCも比較的多く含んでいます。これらの成分は、ネギの白い部分よりも緑の葉の部分に豊富に含まれているので、根深ネギなどを調理するときは捨てずに利用しましょう。カロテンは体内でビタミンAにかわり、体の抵抗力を高め、活性酸素を抑制する働きがあります。
 葉ネギは痛みやすいので、残ったら細かく刻んで冷凍保存するのがコツ。薬味や汁の実として重宝します。
 ビタミンCは抗菌作用があるので、薬効の高い白い部分とともに食べれば、ウイルスによるかぜの予防には高い効果が期待できます。
 これらの栄養成分は、根深ネギよりも関西でよく使われる葉ネギのほうが含有量は勝っています。とくにカロテンは100g中1900μgと根深ネギの100倍以上。ビタミンCは約3倍の31mgです。
○漢方的な働き
 中国ではショウガとならんで生薬として利用されています。生薬名を「葱白(そうはく)」といい、用いられるのはおもにネギの白い部分。体をあたため、発汗作用をうながすので、かぜの初期症状の緩和に効果があるとされています。
《調理のポイント
 アリシンの効果を期待するのであれば、生で食べるのがいちばんです。白髪(しらが)ネギにして、2~3分水にさらし、なるべく生に近い状態で食べましょう。
 ビタミンB1の吸収を促進する働きを活かして、肉料理とあわせて食べるのもおすすめです。B1が効率よくとれ、疲れがとれます。魚を煮るときに少量加えると臭み消しにもなります。
 かぜの初期には、ネギ味噌スープを。ネギを細かく刻み、味噌とかつおぶしを混ぜ、ショウガ1片をすりおろして加えます。これに熱湯を注いでかき混ぜて飲みます。
 汗をかいたら、こまめにパジャマを着がえて安静にしましょう。ひきはじめのかぜなら、これでかなり楽になるはずです。
<利用法による切り方のちがい>
小口切り/端から輪切りにするのが小口切りです。2~3mm幅のものは汁ものの具に。水にさらして辛みを抜いたものはとうふ、麺類(めんるい)などの薬味に。
斜め切り/厚さ1cmくらいに大きく斜めに切ります。切り口の表面が大きくなるので、火のとおり、味の染み込みが早い。すき焼きや鍋もの、炒(いた)めものに。
・回し乱切り/ネギを回しながら大きく斜めに切っていきます。斜め切り同様、切り口の表面が大きくなるので味が早く染み込む。ホイコーローや中国風の炒めものに。
・白髪ネギ/4~5cm長さに切ってからタテ半分に切り、芯(しん)を除きます。繊維にそってごく細い千切りにし、切るはしから水にさらしていきます。シャキッとしたらざるにあげ、水気をよく切って使います。煮ものや炒めもの、魚料理の薬味などに添えます。
・みじん切り/使う部分にあらかじめタテに切れ目を入れ、端から小口に切っていくとみじん切りになります。ソースや炒めものの香味野菜として。

出典|小学館
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ネギ
ねぎ / 葱
[学]Allium fistulosum L.

ユリ科の多年草。鱗茎(りんけい)と葉に特有の香りと辛味があり、野菜、香辛料として栽培される。葉は中空の円筒状で、長さ約60センチメートル、秋から春によく成長し夏に衰える。晩春に長さ約50センチメートルの花茎を出し、先端に白緑色6弁の小花が細い柄でまり状に密集して咲き、いわゆるねぎ坊主になる。種子は小さく、やや稜(りょう)があり、黒色で光沢がある。地下部の鱗茎はほとんど肥大しないが、地下の葉鞘(ようしょう)は白く、栽培法により50センチメートル以上にも伸長する。ネギの1変種であるヤグラネギvar. viviparum Makinoは、初夏にできるねぎ坊主の花の大部分が子苗になり、そのうちの数本がねぎ坊主の上で伸び、それにまた子苗ができ、2~3階のやぐら状になるのが特徴で、変わった形態を示すことで知られている。
 一般には秋に苗床に種子を播(ま)き、翌春苗を畑に定植する。関東では根元に深く土寄せをして白ネギ、いわゆる根深(ねぶか)型に育てる。代表的品種に細長い千住(せんじゅ)、合柄(あいがら)がある。また下仁田(しもにた)は直径が3~4センチメートルと太い品種として知られている。これらは耐寒性が強く、寒冷地での栽培に適している。関西では土寄せをせず、葉と短い葉鞘部ともに食用にする。代表的品種に九条(くじょう)がある。これらは多く株分れし、葉も鱗茎もともに柔らかで、葉ネギとしての利用に適している。
 原産地はシベリア、バイカル、アルタイ地方とされるが、中国の西部とする説もある。日本へは古く中国から朝鮮半島を経て伝来したと推定される。一方、ヨーロッパではネギに関する古い記録はみられず、イギリスでネギが栽培されたのは17世紀以降である。アメリカへは1806年に初めて伝えられたが、春先の若葉をサラダにする程度の利用である。[星川清親]

利用

関東のネブカネギは冬が旬(しゅん)である。関西の葉ネギは夏も栽培できるが、やはり冬のほうが味が優れる。ネギの辛味と香りの主成分はアリル硫化物である。刻んだネギは薬味とし、とくに麺(めん)類に欠かせない。刻んだあとに水にさらすと刺激臭も緩和され、身もしゃっきりする。芽ネギは、苗床にネギの種子を密に播(ま)いてつくったごく若い芽生えで、香辛料として利用する。
 ネギは煮ると甘味があって、日本料理に重要な野菜である。とくにすき焼きには不可欠の野菜とされ、明治以降、牛肉の消費に伴ってネギの需要も増加した経緯がある。煮食が主で、ぬたなどにもされる。
 葉ネギには、100グラム当りカロチン860マイクログラム、ビタミンC33ミリグラムを含む。ネブカネギの場合は、カロチン150マイクログラム、ビタミンC14ミリグラムと葉ネギに比べて少ない。とくにカロチンは白ネギの部分には含まれない。栄養的には緑色の葉ネギのほうが優れているといえる。
 葉鞘の白色部分は薬用にもされ、葱白(そうはく)とよばれて昔から強壮、興奮、利尿、発汗、去痰(きょたん)のほか駆虫の効があるとされる。[星川清親]

文化史

『爾雅(じが)』(前2世紀ころ)に「茖(かく)、山葱(さんそう)」(茖は山葱である)とみえ、荘子(そうし)は「春月飲酒茹葱(くうねぎ)、以(もって)通五臓(ぞう)」と語り、『礼記(らいき)』(前1世紀ころ)には「凡膾、春用葱」(膾(なます)は春にはネギを用いる)と載る。古代の中国では重要な野菜で、『斉民要術(せいみんようじゅつ)』(6世紀)には葱、葱白、葱頭をあわせて67の調理法が記述されるが、それはショウガに次いで多い。日本には5世紀までに渡来したと推定され、『日本書紀』の仁賢(にんけん)天皇6年9月条に秋葱(あきき)の名が出る。平安中期の『倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』は葱和名紀(き)、冬葱和名布由木(ふゆき)をあげ、品種の分化をうかがわせる。ネギの名は江戸時代に広がり、千住、加賀、九条の3系に大別されるネギの品種群も、江戸時代には成立した。加賀系は耐寒性強く、積雪に耐える北方型のネギで、葉は太くて、分げつは少ない。その代表の下仁田ネギ(群馬県)は200年余りの歴史をもち、江戸の将軍に献上したので、殿様ネギともよばれた。[湯浅浩史]

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