20世紀日本人名事典 「勝本冨士雄」の解説
勝本 冨士雄
カツモト フジオ
- 生年
- 大正15(1926)年1月10日
- 没年
- 昭和59(1984)年4月26日
- 出生地
- 石川県七尾市
- 学歴〔年〕
- 京都市立絵専中退
- 経歴
- 鉄道学校機関科を卒業後、京都市立絵画専門学校(現・京都市立芸術大学)に入るが中退。昭和21年より自由美術家協会展に出品。25年創立されたモダンアート協会の第1回展に招待出品し、26年同会会員となる。アートクラブ会員。アジア青年美術展、パリ国際青年美術展にも出品する。初期から一貫して抽象画を描き、四辺形の色面で構成した〈野性シリーズ〉から、アクション・ペインティングを思わせる即興的な筆使いと絵具の材質感を生かした〈白シリーズ〉を経て、40年頃から曲線を含む幾何学的傾向を強め、変形カンバスや材質感の多様性などの研究を試み、“科学性と精神性の格闘の現れ”として美術を位置づけ、明快な形と色を追求した。一方、版画も手掛け、東京国際版画ビエンナーレ展、バンクーバー国際版画ビエンナーレなどに出品した。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報