日本歴史地名大系 「勝瓜用水」の解説 勝瓜用水かつうりようすい 栃木県:真岡市勝瓜村勝瓜用水鬼怒川左岸を灌漑するための用水路で、勝瓜に取水口をもつためこの名がある。平安時代末期に、中村(なかむら)庄および常陸伊佐山(いさやま)(現茨城県下館市)の庄官常陸介中村宗村が、当時大沼に水源をもった農業用水を拡張し、開削したと伝え、当初の取水口は勝瓜の字鐘楼堂であったという。中村地域全水田の八〇パーセント以上を灌漑し、中村字中里上河原の大井口(なかざとかみがわらのおいぐち)に落水した。大井口落水後は大井口用水(栃木県内で大井口用水、茨城県内で大谷川)と一体となり、その間多くの堰によって柳(やなぎ)堀・長田(ながた)用水・松本堰(まつもとぜき)用水・屋敷(やしき)堀・尾又(おまた)用水など三〇余の配水路に分水され、油(あぶら)川・大野(おおの)川・江(え)川などとともに昭和年代前半まで、両県一町四村、五〇〇余町歩を灌漑した。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報