勢汰(読み)せいぞろえ

改訂新版 世界大百科事典 「勢汰」の意味・わかりやすい解説

勢汰(揃) (せいぞろえ)

中世,合戦にさいし一門・味方が参集すること。勢汰なる表現は中世軍記物にしばしば散見するように,騎馬を主体とする戦闘様式が一般化するなかで用いられたものである。例えば《平家物語》には1180年(治承4)の以仁王・源頼政の挙兵にさいし,諸国源氏の呼応・蜂起を描く〈源氏揃〉あるいは福原に参集する西海の平家一門の追撃を描写する〈三草勢揃〉など,多く合戦場面にそのようすが記されている。ちなみに,こうした勢汰なる語が後世,しだいに姿を消すが,これは同族結合が強固である中世武士団のあり方が変化し,集団戦による方式が一般化するなかで勢汰の内実に変化をきたしたためである。
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