化学発光法(読み)カガクハッコウホウ

化学辞典 第2版 「化学発光法」の解説

化学発光法
カガクハッコウホウ
chemiluminescence method

気体成分の化学ルミネセンスを利用する微量分析法.実用化されているものには,汚染空気中(大気および排出源)のNOオゾンと反応させたとき生成する励起NO2(NO2*)の発光(610~3000 nm)を測定してNOを定量する.

      NO + O3 → NO2* + O2

      NO2* → NO2hν

NOとNO2の混合物でNO2を測定する場合は,まずNO2触媒によりNOに転換させたのち上の測定を行う.転換しないときとの差からNO2量が求まる.測定範囲5 ppb~100 ppm.また,オゾンとエテンの反応で生じる化学発光を利用して,大気中の微量のオゾンの定量ができる.440 nm を極大とする幅の広い発光を示し,これを光電子増倍管を用いて測定する(図参照).この発光は励起ホルムアルデヒドによるものと推定されている.測定範囲5 ppb~1 ppm.連続測定可能.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の化学発光法の言及

【ガス分析】より

…有害ガスを対象にした例が多数ある。(5)化学発光法 たとえば一酸化窒素NOはオゾンO3と反応する際発光する。そこで試料ガスをO3と混合し,発光強度を測定すればNO濃度が求められる。…

【分光分析】より

…原子吸光法と同じく微量元素の定量分析に適しており,複数の元素を同時に定量できるという利点をもつ。化学発光法chemiluminescence analysisは,化学反応によって生じた励起状態の分子からの発光により分析を行う方法である。
[赤外分光分析infrared spectroscopic analysis]
 赤外吸収スペクトルは,〈分子の指紋〉と呼ばれていることからもわかるように,分子の個性を鋭敏に反映した特徴的なパターンを示す。…

※「化学発光法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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