日本歴史地名大系 「北塩屋浦」の解説 北塩屋浦きたしおやうら 和歌山県:御坊市北塩屋浦[現在地名]御坊市塩屋(しおや)町北塩屋日高川左岸の河口部に位置し、南は南塩屋浦。枝郷として北部に天田(あまだ)村、東部に猪野々(いのの)村がある。地名は大同年間(八〇六―八一〇)以来当地で塩を焼いたのにちなむと伝える。真偽は別として、天平宝字五年(七六一)と推定される平城宮出土木簡によると、日高郡財(たから)郷の矢田部益占が塩三斗を調として納めており、当地一帯で早くから製塩のあったことがわかる。「日本霊異記」下巻第二五に「日高郡の潮(みなと)」で網漁をする者の話がみえ、これは日高川河口の当浦付近に比定される。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報