北郡(読み)きたぐん

日本歴史地名大系 「北郡」の解説

北郡
きたぐん

現在の上北郡・十和田市・三沢市下北郡・むつ市を包括した近世の郡名。初見史料は寛永一一年(一六三四)八月四日の三代将軍徳川家光の判物(岩手県盛岡市中央公民館蔵)であるが、その成立は一六世紀末にさかのぼると思われる。すなわち天正一八年(一五九〇)七月二七日の豊臣秀吉朱印状(盛岡南部文書)にみえる「南部内七郡」の一つであった可能性が大きいので、おそらくこの頃に郡名として用いられるようになったと思われる。当郡のうち下北地方は実際には根城南部氏の支配下にあったが、元和三年(一六一七)宗家三戸南部氏によって接収され、以後全域が藩政期を通じて盛岡藩領の一郡として存続した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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