九戸(読み)くのへ

改訂新版 世界大百科事典 「九戸」の意味・わかりやすい解説

九戸[村] (くのへ)

岩手県北部九戸郡の村。人口6507(2010)。北上高地北部の山村で,北西は二戸市に接する。北西端には折爪岳(852m),南部には平庭高原からつづく山々が連なり,中央を新井田(にいだ)川支流の瀬月内(せつきない)川が北流する。八戸自動車道のインターチェンジがある。主産業は米,葉タバコ酪農を中心とする農業で,近年は地域の特性を生かした高冷地野菜,リンゴクルミなどの生産が盛ん。特にクルミは県内の8割を生産する。中世当地を支配した九戸氏の菩提寺長興寺がある。亜高山帯植物が繁茂する折爪岳は眺望にすぐれ,折爪馬仙峡県立自然公園に指定されている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「九戸」の意味・わかりやすい解説

九戸(村)
くのへ

岩手県北部、九戸郡にある村。北上高地の北部に位置する。1955年(昭和30)江刺家(えさしか)、伊保内(いぼない)、戸田(とだ)の3村が合併して成立。村内の約90%が山林原野で、瀬月内(せつきない)川に沿って耕地が開ける。長興寺は天正(てんしょう)年間(1573~1592)九戸政実(まさざね)が居を構えた地で、当時の九戸地方の中心地。酪農、ブロイラー飼育、葉タバコ、野菜栽培を主とし、クルミを特産する。国道340号が通じ、八戸自動車道九戸インターチェンジが設置され、八戸市の後背地的色彩を濃くしている。面積134.02平方キロメートル、人口5378(2020)。

[川本忠平]


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