下北郡(読み)しもきたぐん

日本歴史地名大系 「下北郡」の解説

下北郡
しもきたぐん

面積:一一六九・五八平方キロ(境界未定)
東通ひがしどおり村・大畑おおはた町・風間浦かざまうら村・大間おおま町・佐井さい村・脇野沢わきのさわ村・川内かわうち

県の北東部、本州最北端の下北半島に位置する。北および西は津軽海峡を隔てて北海道を望み、東一帯は太平洋に面する。南は陸奥湾に臨み、半島北部最西南端の脇野沢村九艘泊くそうどまり平舘たいらだて海峡を隔てて東津軽郡平舘村と相対し、陸奥湾の湾口となる。中央部にむつ市が挟まり、郡域を東西に分つ。半島基部を南に連なる下北丘陵の中央付近で上北郡と接する。

山地の占める割合が大きく、低地は田名部たなぶ川流域のむつ市中部・東通村西部にわずかにみられるにすぎない。半島北部中央には那須なす火山帯に属するおそれ山、ひうち(七八一・三メートル)の両火山地がある。恐山火山はまる(八〇六・七メートル)大尽おおづくし(八二七・七メートル)屏風びようぶ(五八〇・三メートル)などを外輪山とする直径約六キロのほぼ円形のカルデラをもち、その中央に宇曾利山うそりやま湖をたたえる。外輪山の外側には朝比奈あさひな(八七四メートル)釜臥かまふせ(八七八・六メートル)などの急峻な山容を呈する寄生火山がある。宇曾利山湖とその北湖畔の地蔵じぞう堂の境内一帯はむつ市の飛地である。燧岳火山は大畑川の北方、風間浦村大畑町の境界付近に位置し、南側の山腹には佐藤ヶ平さどがだいらとよばれる溶岩台地が広がる。北東端に尻屋しりや崎、北西端に大間崎があり、周辺には海岸段丘が発達する。尻屋崎付近から太平洋岸沿いに砂丘が延び、植物に被覆されていない砂丘としては県内第一の規模を誇っている。

各山地による分水嶺は大畑川・奥戸おこつぺ川・大佐井おおざい川・古佐井こざい川・川内川・おとこ川などの河川を形成し、半島北部の海岸集落はこれら河川の下流域に集まっている。

国道三三八号が東通村からむつ市を横断して川内町・脇野沢村・佐井村・大間町へと延びる。国道二七九号(通称はまなすライン)がむつ市を縦断して大畑町・風間浦村を走り、大間町でこれに合流する。半島北部の西側一帯は山地が海岸線まで迫り、南北に発達する断層海岸となっており、佐井村の牛滝うしたき以南の海岸沿いには陸路が開けていない。山地内は川内川に沿って県道佐井―川内線(通称かもしかライン)が走る。また大畑川に沿って林道(通称あすなろライン)が走り、恐山・川内町湯野川ゆのかわ温泉・佐井村の三方面へ通じる。東部では県道尻労―小田野沢線、むつ―東通線が国道三三八号より分岐し、北海岸沿いに主要地方道むつ―尻屋崎線が走る。大間港と北海道函館はこだて市函館港の間にはフェリーが就航。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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