日本大百科全書(ニッポニカ) 「十万大山」の意味・わかりやすい解説
十万大山
じゅうばんだいざん / シーワンターシャン
中国、広西(こうせい/カンシー)チワン族自治区の南西部を北東から南西に走る山脈。長さ約170キロメートル、幅約15~30キロメートル、標高約1000メートル。珠江(しゅこう/チューチヤン)水系の郁江(いくこう)と欽州(きんしゅう/チンチョウ)湾に注ぐ欽江(きんこう)との分水嶺(ぶんすいれい)をなしている。自治区内の三大林業地の一つであり、熱帯、亜熱帯性の樹木が繁茂し、国営の林場が開かれている。かつてはチワン族、ヤオ族などの少数民族の焼畑地帯であったが、現在では段畑が造成され、発電所、用水路が整えられた。南麓(なんろく)ではチャ、漢方薬草の栽培が盛ん。
[青木千枝子・河野通博]