十年一剣を磨く
長い年月の間、鍛錬を積み重ねて、それを発揮できる機会を待つことのたとえ。
[使用例] 存命していても二葉亭はやはりとつおいつ千思万考しつつ出遅れて、可惜多年一剣を磨した千載の好機を逸してしまうが落であるかも解らん[内田魯庵*二葉亭追録|1925]
[由来] 八~九世紀、唐王朝の時代の中国の詩人、賈島の「剣客」という詩の一節から。「十年、一剣を磨くも、霜刃、未だ嘗て試さず(一〇年間、一本の剣を磨いてきたが、その冷たい刃を試してみたことはない)」とうたい、今、切れ味を見せてやったらだれも文句は言わなくなるだろう、とすごみを見せて結んでいます。
[解説] 日本では、一八~一九世紀、江戸時代後期の文人、頼山陽が、この詩句を踏まえて作った漢詩が有名。上杉謙信が武田信玄を倒そうとする意気込みを、「遺恨なり、十年、一剣を磨く」とうたっています。
出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報
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