半アリウス説(読み)はんアリウスせつ(その他表記)Semi-Arianism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「半アリウス説」の意味・わかりやすい解説

半アリウス説
はんアリウスせつ
Semi-Arianism

キリスト教三位一体に関する一学説。アタナシウスらの正統派は,三位一体における父と子がともに永遠なる神であって,両者は同質 homoousiosであると主張した。これに対してアリウスらは,子は父に従属するもので,両者は異質 heteroousiosであるとした。半アリウス説は,後者に反対して子の神性と永遠性を認めながらも,正統派は父と子の区別を認めない様態説であるとして,これにも反対,父と子は同質でも異質でもなく,類質 homoiousiosであると主張した。 356年頃からはアンキュラバシリウスが主張したが,正統派がウシア (本質) とヒュポスタシス (ペルソナ) を区別するに及んで,これに接近,漸次解消した。

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