半アリウス説(読み)はんアリウスせつ(その他表記)Semi-Arianism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「半アリウス説」の意味・わかりやすい解説

半アリウス説
はんアリウスせつ
Semi-Arianism

キリスト教三位一体に関する一学説。アタナシウスらの正統派は,三位一体における父と子がともに永遠なる神であって,両者は同質 homoousiosであると主張した。これに対してアリウスらは,子は父に従属するもので,両者は異質 heteroousiosであるとした。半アリウス説は,後者に反対して子の神性と永遠性を認めながらも,正統派は父と子の区別を認めない様態説であるとして,これにも反対,父と子は同質でも異質でもなく,類質 homoiousiosであると主張した。 356年頃からはアンキュラバシリウスが主張したが,正統派がウシア (本質) とヒュポスタシス (ペルソナ) を区別するに及んで,これに接近,漸次解消した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

USスチール買収問題

日本製鉄は2023年12月、約141億ドル(約2兆2千億円)で米鉄鋼大手USスチールを完全子会社化する計画を発表した。国内の鉄鋼市場が先細る中、先進国最大の米国市場で、高級鋼材需要を取り込み、競争力...

USスチール買収問題の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android