南蛮焼(読み)ナンバンヤキ

デジタル大辞泉 「南蛮焼」の意味・読み・例文・類語

なんばん‐やき【南蛮焼(き)】

古く中国南部を中心シャム安南などから渡来した粗陶器。無釉むゆう炻器せっき質で紫黒色のものが多く、茶入れ・水指みずさしなどに用いた。

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精選版 日本国語大辞典 「南蛮焼」の意味・読み・例文・類語

なんばん‐やき【南蛮焼】

  1. 〘 名詞 〙 中国南部・シャム・安南などから渡来した粗陶器。多くは紫黒色で、壺・茶入・水指などに用いる。多く釉(うわぐすり)のかかっていない炻器質のものをいうが、釉を施したものもあり、作風一定ではない。

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世界大百科事典(旧版)内の南蛮焼の言及

【江戸時代美術】より

…1640年代になって酒井田柿右衛門が赤絵磁器の技法を工夫し,これを契機に有田(伊万里),古九谷,鍋島などすぐれた色絵・染付磁器が各地で焼かれ,野々村仁清による色絵陶器と相まって日本陶磁史上の一つの頂点を形成した。これらの磁器は,当時南蛮焼と呼ばれていたように,中国磁器の様式に強く影響されたものであり,中国的な意匠による有田(伊万里)焼は,清代の磁器に代わってヨーロッパに大量に輸出された。その中で鍋島焼は,鍋島藩のいわば〈官窯〉として,和様の意匠に孤高の美をつくり出している。…

【かまぼこ(蒲鉾)】より

…笹(ささ)かまぼこは仙台地方が有名で,すり身を木の葉状に成形し,くしに刺して炉上で焼き上げたものである。同じように,すり身を鉄板上で焼いたものに和歌山のなんば焼き(南蛮焼きともいう)などがある。簀(す)巻きかまぼこは麦わらやプラスチックの麦わら模造品にすり身を包んで蒸したもので,今治地方で製造されている。…

※「南蛮焼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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