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炻器 セッキ

デジタル大辞泉の解説

せっ‐き〔セキ‐〕【×炻器】

焼き物の分類の一。素地(きじ)が固く焼き締まった焼き物で、非透光性である点で磁器と区別し、気孔性のない点で陶器と区別する。茶器などのほか、土管・火鉢などの大形物に用いる。

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世界大百科事典 第2版の解説

せっき【炻器 stoneware】

陶磁器の一種。絵付をする目的でのうわぐすりを使用しない(一部食塩を釉薬(ゆうやく)として用いることもあるが絵付の目的ではない)で高温焼成して得られる。一般に吸水性がなく,焼締りが良いので機械的強度が大きい。絵は描かないが,火の回りぐあい,灰の掛りぐあいで自然に模様が生ずることがあり,風合(ふうあい)ができる。備前焼信楽(しがらき)焼などがこれに属する。【柳田 博明】 〈石のように硬く焼きしめた器〉の意で,日本の陶芸用語としては,1907年ころから使われるようになった。

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大辞林 第三版の解説

せっき【炻器】

よく焼きしまり、吸水性のほとんどない焼き物。多く赤褐色ないし黒褐色。日用雑器のほか、土管・火鉢なども作る。ストーン-ウエア。石器。

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食器・調理器具がわかる辞典の解説

せっき【炻器】

土や粉末状の鉱物を練って成形し、かたく焼き締めて作った焼き物。素地(きじ)は、多孔質の陶器とは異なり緻密で吸水性もほとんどなく、磁器に近い性質を持つが、磁器とは異なり透光性はほとんどない。陶器よりも強度があり、磁器に用いるものよりも可塑性の大きな粘土を用いるので成形しやすく、また焼成温度も磁器ほど高温ではないので、磁器よりも製造が容易で、大きな器物も作れる。このため、食器などのうつわ類のほか、火鉢、土木用の陶管、工業用の器物などにも用いる。釉薬は、施すものと施さないものがある。備前焼、信楽(しがらき)焼などの中に、炻器に分類されるものがある。◇英語の「stoneware」の訳語として明治40年頃より用いられた。stonewareは1950年にアメリカ窯業協会が「釉薬の有無を問わず1150~1300℃で焼成して、素地はかたく溶化し、吸水量は0~10%のもの」と規定しているが、この規定は東洋の焼き物の分類にはそぐわない面があり、日本語の「炻器」の示す範囲とは、必ずしも一致しない。また、日本では、これほど厳密に定義されていない。欧米圏のものとしては、ウエッジウッドの「ジャスパーウエア」がよく知られる。⇒磁器陶器

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

炻器
せっき

ストーンウェア」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


せっき
stoneware

粘土器の一種で、素地は硬く、ガラス質または熔化(ようか)し、水を透過せず破面は貝殻状あるいは石状である。器は硬磁器と陶器の中間のものとみなされる。硬磁器と異なる点は主として非透光性あるいは薄い部分がわずかに透光性である点である。天然の粘土にほとんど手を加えずにつくられたものを粗器coarse stoneware、精製された原料または混合素地でつくられたものを精器fine stonewareといい、後者には素地の白いものも多く、工業用器として重要である。[素木洋一]

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世界大百科事典内の炻器の言及

【陶磁器】より

…可塑性に富んだ粘土を用いて所定の形に成形し,高熱で焼き締めた要用の器物で,土器clayware,陶器pottery,炻器(せつき)stoneware,磁器porcelainの総称。一般に〈やきもの〉とも呼ばれる。…

【釉】より

…ルネサンス期にイタリアで開花した美しい絵付けのスズエナメル釉陶器は16世紀に入って堰を切ったようにアルプス以北に流出し,フランス,ドイツ,オランダでも盛んに焼成された(ファイアンス)。他方,このような技術の伝播とは別に,ケルンを中心としたライン川流域の各地では13世紀ころより塩釉炻器(せつき)が焼成されていた。塩釉炻器の焼成は,窯の温度が1200℃くらいに達したとき,窯の中に食塩を投げ込むことによって,食塩の塩化ナトリウムがソーダと塩素に分解され,ソーダは胎土のケイ酸とアルミナと化合し器の表面をガラス質で覆うことになる。…

【土器】より

…焼成温度は1000℃未満のものが多く,とくに600~800℃程度が多い。耐熱性の強い素地を用いて1000℃以上(1100~1300℃)の高温で焼き上げた,多孔質でない焼物(たとえば備前焼など)は炻器(せつき)と呼ばれる。考古学では,この種のもの(朝鮮半島の新羅(しらぎ)土器,日本の須恵器)も土器に含めるか,あるいは陶質土器と呼ぶことが多い。…

※「炻器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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