普及版 字通 「卞」の読み・字形・画数・意味
卞
4画
[字訓] くくりがみ・はやい・うつ
[字形] 象形
冠の形。古い字形はないが、漢碑の〔礼器碑〕〔孔宙碑〕にみえる字形によって考えると、舞うときに髪を包む冠の形であろうと思われる。弁(べん)と同声の字である。髪を包んで急疾の舞をするので、卞急の意がある。また手を加えて、はげしく舞うことを抃舞という。
[訓義]
1. くくりがみ、弁と通ずる。
2. はやい、さわがしい。
3. うつ、空手でうつ。
4. 辨(弁)と通じ、わかつ。
[声系]
抃・は卞声に従う字であるが、〔説文〕未収。〔呂覧、古楽〕に「(ていこく)乃ち人をして抃(てう)たしむ」とみえる。は水名。〔説文〕十一上にはその字を汳に作る。
[語系]
卞・抃・弁()bianは同声。弁は弁冠のたれ紐のある形、は弁上の巾を加えた形、卞が最も簡略な形。これらはもと同一の字と考えられる。
[熟語]
卞毅▶・卞急▶・卞克▶・卞躁▶・卞璞▶・卞忿▶
[下接語]
剛卞
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報