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一般には古い時代の音楽をさすが,特に雅楽曲の種別を示す用語として用いる。中国経由の伝来曲のうち古い音楽様式に基づく曲群であるが,年代の区分には諸説がある。中国では六朝以前,日本では唐の玄宗以前に制作された音楽をさすとされる。実際には林邑楽(りんゆうがく)の曲目が古楽のレパートリーをほとんどカバーしている。古楽の曲目以外は新楽と称される。日本では古楽には壱鼓(いつこ)を,新楽には羯鼓(かつこ)を用いるという区別があったが,現在は古楽の曲も羯鼓で演奏することが多い。古楽はトレモロ奏法を用いないので,様式上の区別がつく。また乱声(らんじよう)という様式の曲があり,これに新楽乱声と古楽乱声がある。かつては新楽乱声と古楽乱声を対比的に用いた例もあるが,現在では新楽乱声は《振鉾(えんぷ)》という儀式開始の舞楽に用いられ,古楽乱声は林邑楽系の舞楽の登場曲に使われている。古楽乱声を林邑乱声ともいう。
執筆者:高橋 美都
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…伝来当初は,もっと多様な楽器編成であったことが正倉院の遺物などからしのばれる。唐楽の演目の種別に古楽と新楽があるが,古楽は壱鼓の使用を原則とし,新楽は羯鼓を使用する。
[調子・拍子]
唐楽の音楽理論としては,旋律の旋(めぐ)りの中心となる音を体系化した〈調子〉の概念と,打楽器のリズム法を規定する〈拍子〉の概念がある。…
※「古楽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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