原体村(読み)はらたいむら

日本歴史地名大系 「原体村」の解説

原体村
はらたいむら

[現在地名]江刺市田原たはら

餅田もちだ村の南東に位置し、南西と北西部は低山地、中央部は南西流する伊手いで川によって開析された平地に立地。一五三〇年代頃の熊野山新宮勧進状(熊野速玉大社文書)に「壱貫文 取躰 平重家」とある取躰は「腹体」とみられ、当地を領していたとみられる平重家が紀州熊野社に奉加している。戦国時代末にかけ岩谷堂いわやどう城主江刺氏に属した原帯氏が拠っていたとも考えられる。原帯氏はのち和賀郡に移住し南部氏に出仕したが、慶長五年(一六〇〇)和賀忠親が旧領回復をめざした和賀一揆の際に、原帯主膳が安俵あひよう(現和賀郡東和町)を守って討死している(奥南旧指録)

寛永一九年(一六四二)の原体村検地帳(県立図書館蔵)によれば、田方四三町四反余・代五四貫一〇〇文、畑方四八町一反余・代七六〇文、茶畑五反余・代一貫五〇六文。正保郷帳では田五二貫七三一文・畑八貫九〇八文、ほかに新田二貫五四九文がある。文政九年(一八二六)の風土記書上(司東文書)によれば田五七貫六三〇文・畑一三貫二五五文で、二九貫七七一文は蔵入、ほかは給所。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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