最新 地学事典 「原始海洋」の解説
げんしかいよう
原始海洋
primordial ocean ,primitive ocean
初期地球に存在していた海洋。地殻とマントルが融けた状態のマグマオーシャンが冷えてくると,花崗岩質でSiO2の多い酸性成分は軽いため浮き,やがて初生的な大陸地殻に発達した。一方,玄武岩質の塩基性成分は重いため沈み,海洋底が生じた。そこへ水および水─岩石反応で溶解・溶脱した塩を含む化学種が流入し,原始海洋が形成された。アミノ酸や核酸塩基などの有機物の起源は,地球内因性と外因性(隕石)の両方があったと考えられている。溶解度が低く,析出しやすい成分が二次鉱物として沈殿したり,水圏での堆積作用が起きていたと考えられる。非生命的で純然な物質のみからなる環境に続いて,約38億年前には,最初の生命が誕生した。やがて酸素を発生する光合成生物の出現などがあり,始原的な生命圏との相互作用が加わる環境になった。
執筆者:高野 淑識
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

