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地殻 ちかくearth crust

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

地殻
ちかく
earth crust

地表からモホロビチッチ不連続面までの地球表層部をいう。大洋地域の地殻は,厚さ約 5km,密度3 g/cm3 程度,P波の伝播速度は 6.6~7.0 km/s で,玄武岩質の岩石から成る。大陸地域の地殻は,厚さ 30~60km,上部は密度 2.7 g/cm3 程度,P波の伝播速度は約6 km/s で,花崗岩質の岩石から成る。下部は密度,P波伝播速度ともに大洋地域の地殻と似た性質をもち,玄武岩の層から成ると考えられている。しかし,大陸の地殻の構造と組成は,場所によってきわめて多様に変化している。

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百科事典マイペディアの解説

地殻【ちかく】

地球の固体部分の最外部をなす層。大陸地域では厚さ30〜40km,若い造山帯の一部では50〜60km,まれには70km,大洋地域では5〜6km。下底の境界面は地震波の伝わり方から見て明瞭で,モホロビチッチ不連続面と呼ばれる。
→関連項目アイソスタシーアセノスフェア玄武岩質層断層地球マグマオーシャンマントル

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岩石学辞典の解説

地殻

上部の固体の岩流圏(geosphere)で,海洋底からは約5kmの厚さ,大陸では約35~60kmの厚さがある.この部分は上部(sial)と下部(sima)に分れ,モホロヴィチッチ(Mohorovicic)不連続の上に位置している[Daly : 1933, Gaskell : 1970].

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世界大百科事典 第2版の解説

ちかく【地殻 crust】

固体地球の最外層。卵に地球を例えれば,殻の部分に相当する。地球構成物質のうち比較的軽く,融点の低い物質よりなる。人間の生活圏は,地殻と大気,あるいは水と接する部分にあり,その地学的環境は地学現象によってたえまなく変化している。地球の内部構造はおもに地震波の伝わり方から推定されている。地球は層構造をもち,地震波速度の違いによって,外側から順に,地殻,マントルに分けられるが,地殻の厚さはたかだか60km程度で,地球の半径6371kmの1000分の1以下にすぎない。

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大辞林 第三版の解説

ちかく【地殻】

地表からモホロビチッチ不連続面までの部分。固体地球の表層を形づくる。その厚さは、大陸では厚く(平均30~40キロメートル)、海洋底では薄い(約6キロメートル)。大陸の地殻は上・下に分けられ、上部地殻は花崗かこう岩質岩石、下部地殻は斑糲はんれい岩質岩石から成り、また海洋底地殻は斑糲岩質岩石から成ると考えられている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

地殻
ちかく
earth's crust

地球のもっとも表面を構成する層。もともと、地球内部が溶融状態にあると考えられていた時代に、その表面の固化した薄皮をさしたものであるが、現在では、モホロビチッチ不連続面より上の部分と定義するのが普通である。地殻の構造は、地震波の伝わり方や重力異常などにより研究されており、著しい地域差のあることが知られている。たとえば、大陸地域における地殻の厚さは普通30キロメートル以上あるが、海洋地域では、海水層を除けば、10キロメートルを超すことはまれである。大陸地域でも、アンデスやチベットなどの大山脈や高原ではさらに厚く、60キロメートル以上もある。こうした地殻の厚さの地域差は、アイソスタシーの考えなどにより古くから予測されていたが、第二次世界大戦後盛んになった大規模な人工地震の実験により確かめられた。大陸地域の地殻の表面は堆積(たいせき)層で覆われているが、その下は、地震波のP波速度が6キロメートル毎秒程度の花崗(かこう)岩質層と、7キロメートル毎秒程度の玄武岩質層とに分けて考えられることが多い。これらの層は、それぞれシアルおよびシマとよばれることもある。しかし、最近の詳しい人工地震の解析では、非常に複雑でもはや二層には単純化できないような地殻構造もしばしば報告されている。海洋地域における地殻には、地域差が少なくきわめて一様であるという著しい特徴がある。海嶺(かいれい)や海山など特別な地域を別にすれば、海水層を取り除いた地殻の厚さは、6~7キロメートル程度であり、内部構造にも地域差が少ない。海洋地殻は、堆積層である第一層、P波速度5キロメートル毎秒程度の第二層、7キロメートル毎秒程度の第三層という三層構造に単純化されることが多い。このうち、第二層は主として枕(まくら)状溶岩でできていることが深海ボーリングにより確かめられている。プレートテクトニクスによれば、海洋地殻は海洋プレートの最上部として中央海嶺において形成されるものであり、構造の一様さはその形成過程に関係があると考えられる。海洋地殻は海洋プレートの動きによってつねに更新されているために、もっとも古い年代の地域でも2億年程度である。これに対して、大陸地殻の大部分は地球が生まれてまもなく形成されたものであると考えられており、海洋地殻に比べて一桁(けた)以上長い歴史をもつ。[吉井敏尅]

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世界大百科事典内の地殻の言及

【発疹】より

…解剖学的には表皮の角質層。(7)痂皮crust 鱗屑に滲出液が混じりあった黄色調のいわゆる〈かさぶた〉。(8)胼胝(べんち)callus角 質層が限局性に厚くなったもの。…

【海】より

…海水の量がどのように増加してきたかについては,地球の誕生後約5億年でほとんどが形成されたとする説と徐々に増加してきたとする説があるが,前者の説を支持する人が多い。
[海洋の地殻と大陸の地殻]
 地球のいちばん外側の殻,地殻は,大陸では軽い花コウ岩質層とその下の玄武岩質層からなり,厚さ20~70km,平均33kmであり,大洋底では玄武岩質層からなり厚さ7kmと薄く,両者はまったく異なる構造をもつ。前述のごとく大陸からは堆積作用のあったことを示す38億年前の岩石が見つかっているのに,海洋底の岩石は最も古いもので2億年前のものである。…

【地球】より

…チャンドラー運動はおもに四季の気圧配置や海流の変化による。このほか南極の氷床の消長,大地震,地殻変動,地球の核とマントルとの間の電磁気的カップリングによっても自転速度に変化が生じる。海水と海底との間に生じる潮汐摩擦によって自転にブレーキがかかり,しだいに自転速度が減る現象を永年減速といい,1日の長さが100年間に約0.014秒ずつ長くなる。…

※「地殻」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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