原岡(読み)くずはらがおか

日本歴史地名大系 「原岡」の解説

原岡
くずはらがおか

仮粧けわい坂の山上から北側の辺り一帯の岡をさす。葛原原ともいう。正中・元弘の乱に際して後醍醐天皇の謀臣として倒幕計画を推進したかどで捕らえられた日野俊基が、鎌倉に護送され、ついにこの岡で斬られた。「太平記」には「俊基已ニ張輿ニ乗セラレテ粧坂ヘ出給フ、爰ニテ工藤二郎左衛門尉請取テ、葛原岡ニ大幕引テ、敷皮ノ上ニ坐シ給ヘリ」とみえ、「常楽記」元徳四年(一三三二)六月三日条には「俊基朝臣武蔵(ママ)国クズハラ原ニテ被誅了」と記し、「神明鏡」には「右大弁俊基モ又関東ヘ召下サレ葛原ニテ五月廿日誅ラレケルニ角ナン 秋ヲマタテ葛原ハラニキユル身ノ露ノ恨ヤ世ニ残ルラン」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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