原日本人説(読み)げんにほんじんせつ

山川 日本史小辞典 改訂新版 「原日本人説」の解説

原日本人説
げんにほんじんせつ

日本石器時代人(縄文時代人)はアイヌコロボックルなどの先住民ではなく,現代日本人祖先であるとする説。長谷部言人(ことんど)は石器時代人が進化して日本人に移行したと説いたが,清野謙次は石器時代人が大陸からの渡来者と混血して,一方では日本人になり,北日本ではアイヌになったと考えた。現在では,渡来系の弥生時代人骨の研究が進展し,清野の説がおおむねうけいれられている。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の原日本人説の言及

【縄文文化】より

…小金井良精は,縄文時代にはアイヌが先住していたが,移住者によって北海道に押しこめられたというアイヌ先縄文説を唱えた。清野謙次は,アイヌと現代日本人の共通の祖先が長い混血の歴史を経て形質上の変化を遂げてきたとする原日本人説を示した。同じく縄文時代以来の形質的変化によって,弥生人,古墳時代人を経て現代日本人になったとしながらも,その原因は混血ではなく,生活様式の変化が筋肉や骨の変化を惹起したとする長谷部言人の原日本人説がある。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」