ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「縄文時代人」の意味・わかりやすい解説
縄文時代人
じょうもんじだいじん
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日本列島に縄文文化の遺跡を残した人々。貝塚や洞窟遺跡で発見される人骨の研究によって,成人男性の平均身長が160cmたらず,脳頭蓋が大きく,眉間(みけん)と鼻骨が隆起し,顔は低く幅が広く,眼窩(がんか)が長方形で,歯のかみあわせは鉗子(かんし)型,前腕と下腿(かたい)が相対的に長く,脛骨(けいこつ)の骨幹が扁平であるなど,現代日本人とはかなり異なる形態をもっていたことが知られる。中国の柳江(りゅうこう)人や沖縄の港川(みなとがわ)人のような旧石器時代人との類似が強い。弥生時代以降,大陸からの渡来人とその文化の影響をうけて大きく変化したが,北日本では縄文時代人の形質が長く持続してアイヌ民族に受け継がれたと考えられている。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
… 北海道アイヌの骨格を最初に詳しく調査し,アイヌと本州縄文人とが互いに著しく類似することを発見した小金井良精は,アイヌが日本の縄文時代の先住民であり,のちに海外から渡来した日本人によって北へ追われたのであろうと考えた。しかし小金井に続いて日本各地の古人骨資料をさらに数多く調査した長谷部言人,清野謙次らは,アイヌばかりでなく日本人もまた,基本的には縄文時代人に由来したものであることを明らかにした。現在の知見によれば,縄文時代人は多少の地域差を示すが,全体としてかなり均質な旧石器時代人的体質の持主であった。…
…しかし縄文人の根幹をなしたものは,量的にみても後期旧石器時代の渡来集団と考えてよいであろう。
[縄文時代人]
縄文時代人の骨格は,岡山県津雲貝塚,愛知県吉胡(よしご)貝塚をはじめとして,かなり多数の資料が発掘され,早くからその形質が明らかにされていた。その特徴は,低・広顔で,眉間・眉上弓の独特の隆起,鼻根の深い陥没,鼻骨の高い隆起など顔の彫りが非常に深い。…
※「縄文時代人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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