原爆スパイ(読み)げんばくスパイ(その他表記)espionage of an atomic bomb

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「原爆スパイ」の意味・わかりやすい解説

原爆スパイ
げんばくスパイ
espionage of an atomic bomb

第2次世界大戦中,大戦後に行われた原子爆弾の情報に関する諜報活動。 1946年2月にはカナダでグーゼンコ・スパイ網があばかれ,その後まもなく,カナダ政府はモントリオールの原子力計画に従事していたイギリス人核物理学者 A.メイが,カナダの原子力計画の機密ばかりでなくアメリカにおける原子力活動にも接近し,その情報をソ連に渡したと発表。またアメリカでは,50年2~8月にかけて K.フックス,H.ゴールド,ローゼンバーグ夫妻らが原爆の秘密をソ連に渡したという容疑で次々と逮捕され,ローゼンバーグ夫妻は 53年6月に死刑を執行され,世界的な反響を呼んだ。 (→ローゼンバーグ事件 ) 特にフックスは大戦中アメリカの原爆製造計画に協力したイギリス科学者団の一員で,ロスアラモスの原子力研究所で J.オッペンハイマーらと一緒に働いており,極秘のうちに進められたマンハッタン計画に思わぬ手抜かりがあったことが判明。こうしたスパイ活動によって,ソ連の原爆完成 (1949年8月にその第1回実験に成功) がかなり早められたと,アメリカではみている。

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