原道醒世訓(読み)げんどうせいせいくん(英語表記)Yuan-dao xingshi-xun

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「原道醒世訓」の意味・わかりやすい解説

原道醒世訓
げんどうせいせいくん
Yuan-dao xingshi-xun

中国,「拝上帝会,太平天国」の首領洪秀全道光 25 (1845) 年に著わした論文外来キリスト教教義と中国古来の大同思想とを折衷して独自のユートピア社会を説いており,『原道覚世訓』『原道救世歌』などとともに,太平天国の組織を推進する原動力となった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の原道醒世訓の言及

【大同思想】より

…孔子は,遠い古代には〈大道〉(すぐれた道徳)が行われていて天下は公有のものであったとされて,公平で平和な共産的理想社会を描き,それに反し,今日は〈大道〉がすでに隠れて,天下は一家の私有となり,私利私欲の横行する混乱した社会になったと嘆いている。この大同思想に似た,土地・家屋の均分公有という思想は,歴代の宗教的農民反乱のなかでしばしば提起され,19世紀中ごろの太平天国運動で,洪秀全が《原道醒世訓》の中で,理想とする新世界を〈礼運篇〉にもとづきながら説明しているのは,その典型といえる。 しかし中国伝統の大同思想を正面からとりあげて,壮大で詳細な社会理論に組み立てたのは,清代末期(19世紀末)の康有為が最初である。…

※「原道醒世訓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

戒厳令

一般的には指定地域で、国の統治権の全部または一部を軍に移行し、市民の権利や自由を保障する法律の一部効力停止を宣告する命令。戦争や紛争、災害などで国の秩序や治安が極度に悪化した非常事態に発令され、日本...

戒厳令の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android