反すう胃

栄養・生化学辞典 「反すう胃」の解説

反すう胃

 ウシヤギヒツジなどの第一胃と第二胃は食物を蓄え,必要な場合は反すうする.この両方の胃を合わせて反すう胃という.ここには微生物が多く生息し,宿主が摂取した食物を活発に分解する.また,物質代謝も活発で糖の分解によって揮発性脂肪酸(酢酸,プロピオン酸,酪酸など)を生成し,アミノ酸を脱アミノしたり,メタンの生成,不飽和脂肪酸の飽和脂肪酸への還元なども行われる.ここに存在する微生物のために反すう動物セルロースのように単胃動物では消化できない物質も消化して利用することができる半面デンプンや易消化性タンパク質などの利用率を低下させる面もある.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android