飽和脂肪酸(読み)ホウワシボウサン

  • saturated fatty acids
  • ほうわしぼうさん ハウワシバウサン
  • ほうわしぼうさん〔ハウワシバウサン〕

漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典の解説

鎖式炭化水素基にある炭素がすべて単結合(飽和結合)している脂肪酸。ラード、バター、肉類の脂肪、チーズなどに多く含まれる。エネルギー代謝に重要な役割を果たすほか、溶ける温度が高く、常温では固体で存在し、酸化が起こりにくい安定した性質などの作用をもつ。過剰摂取した場合、体内で固まりやすく、血液の粘度を高めて流れにくくし、中性脂肪やコレステロールを増加させる作用があるため、動脈硬化の原因や心筋梗塞、脳梗塞などの生活習慣病を招く。

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大辞林 第三版の解説

炭素鎖に不飽和結合を含まない脂肪酸。不飽和脂肪酸に比べ融点が高い。固体である脂あぶらにグリセリンエステルとして多く含まれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

油脂成分脂肪酸のうち、炭素多重結合をもたないものの総称。脂質を構成する成分である脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があるが、飽和脂肪酸は化学構造式で炭素原子どうしが単結合(一重結合)しているもので、常温では固形のものが多い。バターやチーズ、ラードなどの乳製品や、ウシやブタ、ヒツジなどの動物性食品に多く含まれる。ほかにチョコレート、やし油、パーム油など一部の植物性油脂にも含まれている。
 飽和脂肪酸は融点が高く体内で固まりやすいため、含有率の高い食品を多量に摂取して血中に増えすぎると、血液の粘稠(ねんちゅう)度が高まり血流が滞りがちになる。さらに、血中LDLコレステロール値を上昇させて中性脂肪を増加させるため、肥満や動脈硬化などの生活習慣病に陥りやすく、また、心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞などに陥る危険性も高まる。反対に、摂取量が減少すると血管がもろくなり脳出血などに陥る危険性が増加する。しかし、飽和脂肪酸はヒトの体内で合成が可能であり、食物からの摂取が必須(ひっす)のものではない。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 炭素多重結合を持たない脂肪酸。パルミチン酸・ステアリン酸など。

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