反格差社会運動(読み)はんかくさしゃかいうんどう

百科事典マイペディアの解説

反格差社会運動【はんかくさしゃかいうんどう】

社会階層間の格差が拡大し貧困率が上昇する社会でそれに反対する運動。発展途上国や後進国のみならず,これまで,安定的な中産階級を社会のコア階層としてきた先進国でも,1990年代後半から2000年代に,グローバリズムと新自由主義経済の世界的な浸透によって,所得格差,賃金格差が拡大しており,これに対抗するさまざまな反格差の運動が起こっている。2008年の世界金融危機,2010年に始まるEU諸国のソブリンリスクなど世界的不況が共通のきっかけとなり,2011年9月にニューヨークで起こった,〈ウォール街を占拠せよ〉というスローガンを掲げるオキュパイ・ムーブメントは全米のみならず,先進国をはじめ世界の主要都市に拡大した。若者の失業率の増大,財政危機による社会保障や雇用の縮減,さらには中間層の解体とともに,社会の貧富の差が急激に拡がっている状況は,2012年のフランス大統領選挙やイギリス地方議会選挙,ギリシア議会選挙など,各国で国政の動向を左右する選挙における中心的な争点ともなった。拡大する信用不安・財政危機への対応と格差是正という二重の課題に各国政府がどのように対応するか注目される。→格差社会
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出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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