不況(読み)フキョウ

世界大百科事典 第2版の解説

ふきょう【不況 depression】

経済の全体的な活動状態が沈滞していること,またはその時期のこと。不景気ともいう。反対に経済活動が活発であること,またはその時期を好況prosperityという。近代の歴史をみると,好況と不況が交互に,しかもある程度の周期性をもちながら現れてきているが,その現象を景気循環という。不況期には生産が減少し,雇用も減退する。さらに企業の倒産や失業が増加する。このような状況が経済全体に急激に現れるときのことを恐慌という。

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大辞林 第三版の解説

ふきょう【不況】

景気が悪いこと。潜在的な供給能力に対し有効需要が不足して経済活動が停滞している状態。不景気。 ⇔ 好況 「 -の波をかぶる」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

不況
ふきょう

資本主義経済において、有効需要の不足などのために経済活動が停滞している状況をいう。景気循環の一局面として好況と対応して用いられる場合と、構造不況世界同時不況などのように、構造的、傾向的な現象としてみられる場合とがある。いずれの場合でもそれは、投資の減退、生産・消費の減少、失業・倒産の増加、賃金・物価・株価・金利などの低下として現れるが、もっとも本質的な指標は企業利潤の減退である。[一杉哲也]

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精選版 日本国語大辞典の解説

ふ‐きょう ‥キャウ【不況】

〘名〙 (形動) 資本主義社会における景気変動の一局面。投資・生産・雇用の減少、物価・利潤の低落などをきたし、経済活動全体が沈滞する状態。不景気。⇔好況
※真理の春(1930)〈細田民樹〉森井コンツェルン「日本商船の不況(フキャウ)を見越し、手持証券全部を手放すやうな」

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世界大百科事典内の不況の言及

【メランコリー】より

…このようにして〈哲学でも,政治でも,また詩や芸術でも,真に傑出した人物はみなメランコリアである〉という公理が成立し,天才性とメランコリーとの関係は当時の思想家や芸術家のあいだで広く受け入れられていく。こうした考えが人口に膾炙(かいしや)するにつれてメランコリーの概念がますます広まっていったのは当然で,そのため,精神医学が近代医学の一分野として整備される19世紀に入ると,しだいにメランコリーの語は医書から姿を消し,かわって〈デプレッションdepression〉という用語が登場するようになる。しかし,メランコリーは医学の分野でこそ影がうすくなったものの,近代人の〈暗く物憂い気分〉をあらわすのにぴったりの言葉として欧米の日常語のなかに定着し,むしろ〈黒胆汁病〉としての古い由来はすっかり忘れられてしまっている。…

【カルテル】より

…国際カルテルにおいても,主として価格,生産数量,販路について協定がなされるが,特許等のライセンスや技術提携に付随して行われることが多い。
[成立・存続の条件]
 カルテルは〈不況の子〉といわれるように,不況期にしばしば結成される。不況期には,需要の停滞による超過供給から価格の低落が生ずる。…

※「不況」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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