取越(読み)とりこす

精選版 日本国語大辞典 「取越」の意味・読み・例文・類語

とり‐こ・す【取越】

〘他サ四〙
一定期日より早く行なう。時期を繰り上げる。特に、忌日を繰り上げて法事を行なうことをいう。
御湯殿上日記‐文明一三年(1481)一〇月二一日「きう院さまみやうねんの御十三年をとりこされて」
② 先のことを予測する。
西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一一「我少年の時、既に大いに後来の資業を予占し(〈注〉トリコシ)」
③ 取ってよこす。もってくる。
幸若ほり川(室町末‐近世初)「いなかつとの有けるを、とりこしぬると存るなり」

とり‐こし【取越】

〘名〙
① 繰り上げて先にすること。
浄瑠璃・用明天皇職人鑑(1705)二「年に一度をこらへかね、又取こしの天の川と渡る舟か化け物かと」
② 忌日を繰りあげて法事を行なうこと。また、その法事。
桐一葉(1894‐95)〈坪内逍遙〉二「杞憂(トリコシ)女心の浅ましや」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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