口固(読み)くちがたむ

精選版 日本国語大辞典 「口固」の意味・読み・例文・類語

くち‐がた・む【口固】

〘自マ下二〙
他言しないように約束をする。かたく口止めする。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「御むまぞひにくちかため給て、『もし、かかることよにきこえば、きんぢらをさへつみにあてむ』といましめ給て」
源氏(1001‐14頃)玉鬘「『我名もらすな』と、くちかため給ひしを」
② かたく口約束をする。
十訓抄(1252)一「拝むまじとのたまふに、ゆめゆめと口かためて林中にかくれぬ」

くち‐がため【口固】

〘名〙
① 他言をとめること。口止(くちどめ)
※新撰六帖(1244頃)五「我が恋はほこのねちとふくちかためはじめをはりを人に知らせじ〈藤原家良〉」
② 口約束。ことばの約束。転じて、男女間の契り。
狂言記・六人僧(1700)「かたがた口がためをせられた程に、なぶらうが何としてよからうぞ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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