古河志(読み)こがし

日本歴史地名大系 「古河志」の解説

古河志
こがし

三巻・付録・後編二巻 小出重固著

成立 文化年間(後編天保一二年)

分類 地誌

原本 古河市の小出尚夫・川島恂二

写本 古河市郷土資料館(後編を含む)

解説 小出重固は土井利厚に仕え、江戸にあってその用人まで勤めた古河藩士。蔵書は藩内一といわれた好学の士で、江戸詰の頃「許我志」の著者原念斎から実地調査に基づく古河領の地誌をまとめるよう勧められた。のち事情があって古河に隠退後、古河領をくまなく踏査し、この書を完成した。天保八年に藩主土井利位に献じたところ、文政五年の一万石加封の領分についても調査するよう命じられた。こうして成ったのが後編二巻である。内容・構成とも「許我志」を参考にしているが、内容豊富で詳細をきわめ、実地調査の努力の跡が感じられる。本書に記された史跡・社寺・人物・古文書名所・伝説等は古河地方の歴史・民俗の研究に活用されてきている。

活字本古河市史」資料別巻

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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