召出(読み)めしいだす

精選版 日本国語大辞典 「召出」の意味・読み・例文・類語

めし‐いだ・す【召出】

〘他サ四〙
① 上位者が目下の者を呼び出す。命じて呼び寄せる。めしいず。めしだす。
※大鏡(12C前)二「神づかさどもめしいだしてうたせなど、よく法のごとくしてかへり給ふに」
平家(13C前)六「いやいや、小督があらんかぎりは世中よかるまじ。めしいだしてうしなはん
② 上位者が持って来させる。お取り寄せになる。召し寄せる。めしいず。
※平家(13C前)一「其刀を召出して叡覧あれば」
③ 召して官職、祿などを授ける。
※清輔集(1177頃)「臨時の祭に、四位陪従といふ事にめしいだされて、賀茂にまゐりて」
④ 目下の者に杯を与えて酒を飲ませる。〔日葡辞書(1603‐04)〕

めし‐い・ず ‥いづ【召出】

〘他ダ下二〙
大和(947‐957頃)七二「この宮の御もとに兼盛まゐりけり。めしいでて物のたまひなどしけり」
紫式部日記(1010頃か)寛弘五年秋「あなととほほゑみて硯召しいづ」

めし‐いだし【召出】

〘名〙
目上の者からの呼び出し。
実隆公記‐文明七年(1475)正月二日「天酌事終而於若宮御方又有召出」
※近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉七「御召出(メシイダ)しこれあるに付ては」
主君貴人から杯を与えられること。目上の者と酒を飲むこと。〔日葡辞書(1603‐04)〕

めし‐だ・す【召出】

〘他サ五(四)〙 =めしいだす(召出)
※天草本平家(1592)四「モンガクヲ mexidasare(メシダサレ)、トシ ハチジュウニ アマッテ、ヲキノ クニエ ナガサレタ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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