司馬法(読み)しばほう

精選版 日本国語大辞典 「司馬法」の意味・読み・例文・類語

しば‐ほう‥ハフ【司馬法】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中国、周代の司馬である穰苴(じょうしょ)があみ出した兵法。また、それを記した書物
    1. [初出の実例]「三歩に顧み五歩に調と云て、司馬法なんどにあるぞ」(出典:土井本周易抄(1477)一)
    2. [その他の文献]〔春秋左伝注‐桓公五年〕
  3. 中国、周代の、土地区画・賦役などを定めた法律。〔通典‐食貨・田制上〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の司馬法の言及

【兵家】より

…中国,古代に発達した,政戦両略の軍事思想をさす。著名な《孫子》《呉子》や近年出土の《孫臏(そんぴん)兵法》のほか,ひろく《荀子》儀兵,《管子》兵法,《墨子》兵技巧書,《淮南子(えなんじ)》兵略など諸篇の軍略・兵技論や軍礼の《司馬法》など,秦・漢期の儒墨・道法・縦横家の諸思想と重なり合う。兵家の名称で諸子百家に加えたのは,前漢の図書6分類(劉歆(りゆうきん)《七略》)に始まる(四部分類)。…

【兵書】より

… そして,その後の歴史を経て定着したものは《武経七書》あるいは単に《七書》とよばれるもので,宋の元豊年間(1078‐85)に,武官の教育のために頒布されたのが始まりである。《孫子》《呉子》のほかに,春秋末期の斉の将軍司馬穣苴(じようしよ)の兵法を伝えるという《司馬法》,戦国時代の魏王に招かれた尉繚(うつりよう)の著書という《尉繚子》,周王朝の創業者太公望呂尚(ろしよう)の著と伝えられる《六韜》,黄石公が伝えたという《三略》の4書と,唐の李靖(りせい)が太宗のために兵を論じたものを後人が編集した《李衛公問対》を合わせたものである。《司馬法》は軍政を主とし,《尉繚子》は実戦をも合わせて賞罰の厳正をいい,《六韜》は最も内容豊富で戦闘技術に及び,この3書は戦国時代のおもかげを伝えているが,《三略》は後漢末の仮託であるらしい。…

※「司馬法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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