合い紋(読み)あいもん

精選版 日本国語大辞典 「合い紋」の意味・読み・例文・類語

あい‐もんあひ‥【合紋・合文】

  1. 〘 名詞 〙
  2. そろって同一の紋所をつけること。また、その紋所。
    1. [初出の実例]「聞沢村宗十郎改名観世水流溢沢村宗徒贔屓若雲屯 十千万両金箱勢 郎党合(あヒ)(もン)い字繁」(出典:狂歌・千紅万紫(1817))
  3. 後の証拠や手がかりとするためのしるしや品物
    1. [初出の実例]「長賢房のこそて一・つむき一入て柳屋へ預け、札のあゐもん」(出典:多聞院日記‐永祿一〇年(1567)八月二九日)
  4. 物事がぴったり一致すること。符合すること。
    1. [初出の実例]「何心なき話の合紋(アヒモン)、一々胸にこたゆる十兵衛」(出典:浄瑠璃伊賀越道中双六(1783)六)
  5. 特定の者の間だけに通用することば。また、ある特定の物を示す符号隠語符牒の類。
    1. [初出の実例]「仲間であいもんの言葉をつかひ、大形(かた)ならずなぶる折ふし」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)五)
  6. 寄席で合札(あいふだ)をいう。

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