合戦絵(読み)かっせんえ

改訂新版 世界大百科事典 「合戦絵」の意味・わかりやすい解説

合戦絵 (かっせんえ)

やまと絵の画題。いくさ物語の絵巻化として平安時代末に現れた。後白河法皇の命で1171年(承安1)につくられた《後三年合戦絵巻》(東京国立博物館)が文献上もっとも古い。鎌倉時代に流行し,《平治物語絵巻》(ボストン美術館その他),《蒙古襲来絵詞》(宮内庁)などの作品が残る。室町時代になると,《安徳天皇絵》(下関市赤間神宮)のように,襖や屛風にも描かれるようになり,近世初期には,長篠合戦,関ヶ原合戦や大坂の陣のような同時代に起こった合戦の記録画も描かれた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android