日本歴史地名大系 「吉奈村」の解説 吉奈村よしなむら 静岡県:田方郡天城湯ヶ島町吉奈村[現在地名]天城湯ヶ島町吉奈狩野(かの)川上流の門野原(かどのはら)村から西へ入った支流吉奈川に沿う谷間の村。南に同村の枝郷持越(もちこし)がある。当地善名(ぜんみよう)寺の元亀三年(一五七二)の由来書に「善名村」とみえるという。文禄四年(一五九五)検地があり、荒間帳に「狩野内吉奈村」とあったとされる(増訂豆州志稿)。元禄初年高帳によると高三〇石余・新田高八斗二升七合。江戸時代初期は幕府領、元禄一一年(一六九八)旗本西山領となる。正徳三年(一七一三)幕府領となり、延享三年(一七四六)旗本小堀領となって幕末まで続いた(「韮山町史」など)。川沿いに温泉が湧出していたので、元和元年(一六一五)徳川家康の側室お万の方(のち養珠院)が湯治のため逗留している(「彦坂九兵衛書状」星谷家文書)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報