日本大百科全書(ニッポニカ) 「吉隠」の意味・わかりやすい解説 吉隠よなばり 奈良県桜井市東部の地区。大和(やまと)高原の南端にあり、初瀬(はせ)街道(国道165号)に沿う。地区のほぼ中央を吉隠川が流れ、桜井浄水場がある。『日本書紀』『万葉集』にみえる地名で、『万葉集』には「吉名張」とも書かれ「降る雪はあはにな降りそ吉隠の猪養(いかい)の岡の寒からまくに」(巻2・穂積皇子(ほづみのみこ))などの歌がある。吉隠公民館の前に同歌の歌碑がある。また本居宣長(もとおりのりなが)も『菅笠(すげがさ)日記』のなかで吉隠の地に触れている。[菊地一郎][参照項目] | 桜井(市) 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例