名張郡(読み)なばりぐん

日本歴史地名大系 「名張郡」の解説

名張郡
なばりぐん

和名抄」高山寺本に「ナハリ」、東急本は「奈波利」と訓ずる。「続日本紀」天平一二年(七四〇)一〇月三〇日条に「伊賀国名張郡」とある。「日本書紀」孝徳天皇大化二年(六四六)一月一日条に「名墾の横河」、同書天武天皇元年六月二四日条に「隠郡」がみえる。「万葉集」巻一の「当麻真人麻呂妻作歌」に

<資料は省略されています>

と詠われているほか、「隠」「隠野」もみえる。隠・名墾はいずれも「なばり」と読まれている。後世の歌学書は「隠」を「かくれ」と訓じ、「伊勢」の名所としている。「延喜式」神名帳に神社二座を記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報