日本歴史地名大系 「向畑村」の解説 向畑村むこうばたけむら 埼玉県:越谷市向畑村[現在地名]越谷市向畑・弥栄町(やさかちよう)川崎(かわさき)村の南に位置し、南東は古利根川で限られる。集落は古利根川の自然堤防上に散在する。当地には東新方(ひがしにいがた)領の領主新方三郎が城砦を築いていたと伝え、向畑陣屋とよばれていたが、永禄年間(一五五八―七〇)暮れの餅つきの夜敵に攻められて落城、このため向畑の人々は暮れの餅をつかず、若餅(新年の餅)をつくのが家例となったという。地名はもとは近村大吉(おおよし)・川崎・大杉(おおすぎ)・大松(おおまつ)・船渡(ふなと)五ヵ村の入会地で、向うの畑とよんだことから生じたといわれ、寛永六年(一六二九)の大松清浄院領検地帳(清浄院文書)に向畠村とみえる。しかし田園簿には記載がなく、川崎村に含まれていたようである。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報