落城(読み)ラクジョウ

デジタル大辞泉 「落城」の意味・読み・例文・類語

らく‐じょう〔‐ジヤウ〕【落城】

[名](スル)
敵に城を攻め落とされること。「兵糧攻め落城する」
もちこたえられず降参すること。また、くどかれて拒みきれずに承知すること。「泣き落としにかかって落城する」
[補説]書名別項。→落城
[類語]陥落敗走潰走帰服帰順屈従服従忍従降伏降参投降負けるギブアップかぶとを脱ぐシャッポを脱ぐ敗れる敗戦負け戦敗北敗退完敗惨敗大敗惜敗やられる土がつく一敗地にまみれる屈するふくする屈服ひざを屈するひざをかがめる軍門に降る

らくじょう【落城】[書名]

田宮虎彦歴史小説。昭和24年(1949)発表東北地方の架空の藩、黒菅の悲劇を描いた連作小説の一つ同作を表題作とする小説集は他に「末期の水」「菊の寿命」などの作品を収め、昭和26年(1951)刊行

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精選版 日本国語大辞典 「落城」の意味・読み・例文・類語

らく‐じょう‥ジャウ【落城】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 城が敵に攻め落とされること。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「新田の城、落城(ラクジャウ)に及びなば」(出典浄瑠璃神霊矢口渡(1770)三)
  3. ささえきれないで降参すること。また、維持できないで投げ出すこと。
    1. [初出の実例]「何も彼ももう落城して仕舞った」(出典:付焼刃(1905)〈幸田露伴〉四)
  4. くどかれて承諾すること。
    1. [初出の実例]「大きく出れば、いかな母でも半分落城(ラクジャウ)する所だけれど」(出典:酒中日記(1902)〈国木田独歩〉五月一三日)

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普及版 字通 「落城」の読み・字形・画数・意味

【落城】らくじよう

城が陥落する。

字通「落」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の落城の言及

【田宮虎彦】より

…神戸一中,三高を経て東大国文科卒業。戦前に《日暦》《人民文庫》の同人であり,《無花果》(1935)などを発表したが,本格的に認められたのは《落城》(1949)に代表される戦後の歴史小説によってである。さらに半自伝的作品《足摺岬(あしずりみさき)》(1949),《絵本》《菊坂》(ともに1950)などを収めた短編集《絵本》(1951)によって毎日出版文化賞を受賞。…

※「落城」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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