吹散(読み)ふきちらす

精選版 日本国語大辞典 「吹散」の意味・読み・例文・類語

ふき‐ちら・す【吹散】

〘他サ五(四)〙
① 風が吹いて、ものを散らす。吹いてばらばらにする。
※宇津保(970‐999頃)春日詣「花をふきちらしたるやうになむ見えける」
② あちこちに吹聴する。盛んに言いたてる。
落窪(10C後)二「ただ今此君大臣がねとふきちらし給へば」
③ 吐きちらす。いたるところに吐く。
梅津政景日記‐慶長一八年(1613)院内銀山籠者成敗人帳「さんさん酒に被酔〈略〉伏所のあたり莚二三枚敷、ふきちらし候由申候」
笑いがこらえきれないで、勢いよく吹きだす。
良人自白(1904‐06)〈木下尚江〉前「一同噴(フ)き散らして、大笑に笑った」

ふき‐ちり【吹散】

〘名〙 軍陣などで用いる吹流し
俳諧・新続犬筑波集(1660)一五「ふきちりにまじるや風のかみのぼり〈慈仙〉」

ふき‐ち・る【吹散】

〘自ラ五(四)〙 風に吹かれて飛びちる。
雑兵物語(1683頃)下「焼残りの紙が風に吹ちったんべいならば」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「吹散」の読み・字形・画数・意味

【吹散】すいさん

吹き散らす。

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