軍陣(読み)グンジン

  • ぐんじん ‥ヂン
  • ぐんじん〔ヂン〕

大辞林 第三版の解説

軍隊の陣営。軍営。
軍隊の陣立て。いくさの陣取り。 -を立て直す
戦争。合戦。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

軍中の陣立(じんだて)。戦闘のための陣の立て方・取り方、軍隊の設営、陣地の配列、陣の張り方、備えの配置などを含む。地形、敵の状況、味方の多少に応じて陣の形を異にし、分合(ぶんごう)・解結(かいけつ)・奇正(きせい)・虚実によって転化した。
 古代中国の兵学思想がわが国に導入された奈良時代前後から、黄帝(こうてい)の兵井(へいせい)の法、諸葛孔明(しょかつこうめい)の八陣(はちじん)の法、孫子(そんし)の九地(きゆうち)戦法および結営(けつえい)法、李衛(りえい)の五行(ごぎょう)の陣法などが相次いで伝えられ、一部でその調習も行われた。平安~鎌倉時代には大江匡房(おおえのまさふさ)らによって知識人の間に「孫子」が流行し、陰陽・天文思想と結合して軍配(ぐんばい)の思想が成立した。こうして鎌倉末~南北朝時代に集団白兵戦が盛んになると、総大将を中心にして、鳥雲(ちょううん)、魚鱗(ぎょりん)、鱗懸(うろこがかり)、鶴翼(かくよく)、長蛇(ちょうだ)、偃月(えんげつ)、彎月(わんげつ)、周淵(しゅうえん)などの陣法がとられるようになった。戦国時代に入り、甲州武田氏は孔明の八陣図に擬した八陣法を考案し、車懸(くるまがかり)の戦法を得意とした。そして戦国末期、戦闘の地域や規模が拡大すると、行軍と陣押(じんおし)に有利な本陣(旗本備(はたもとぞなえ))を中核とする五手先(ごてさき)の体制や、さらには九軍制がとられるようになった。[渡邉一郎]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① 軍隊が宿泊し、戦闘の準備を整える陣営。軍営。
※保元(1220頃か)下「皇居、仙洞に軍陣を張、王城を戦場とし、宮門に血を流す事、先蹤是まれなり」 〔史記‐李将軍伝〕
② 軍隊の配置。陣立て。配陣。
※続日本紀‐神亀元年(724)四月癸卯「教坂東九国軍三万人教習騎射、試練軍陳
③ 合戦。また、合戦場。
※小笠原入道宗賢記(1609頃)「軍陣の手縄のさしやう、手縄を二重にとり、中を馬の左のかたよりくびにうちかけ」

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