軍陣(読み)グンジン

デジタル大辞泉 「軍陣」の意味・読み・例文・類語

ぐん‐じん〔‐ヂン〕【軍陣】

軍の陣営。軍営。「軍陣を張る」
軍の陣立て。「軍陣を立て直す」
[類語]陣地陣営陣所陣屋敵陣戦陣トーチカ橋頭堡

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精選版 日本国語大辞典 「軍陣」の意味・読み・例文・類語

ぐん‐じん‥ヂン【軍陣】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 軍隊が宿泊し、戦闘の準備を整える陣営。軍営。
    1. [初出の実例]「皇居、仙洞に軍陣を張、王城を戦場とし、宮門に血を流す事、先蹤是まれなり」(出典:保元物語(1220頃か)下)
    2. [その他の文献]〔史記‐李将軍伝〕
  3. 軍隊の配置。陣立て。配陣
    1. [初出の実例]「教坂東九国軍三万人教習騎射、試練軍陳」(出典:続日本紀‐神亀元年(724)四月癸卯)
  4. 合戦。また、合戦場
    1. [初出の実例]「軍陣の手縄のさしやう、手縄を二重にとり、中を馬の左のかたよりくびにうちかけ」(出典:小笠原入道宗賢記(1609頃))

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「軍陣」の意味・わかりやすい解説

軍陣
ぐんじん

軍中の陣立(じんだて)。戦闘のための陣の立て方・取り方、軍隊の設営、陣地の配列、陣の張り方、備えの配置などを含む。地形、敵の状況、味方の多少に応じて陣の形を異にし、分合(ぶんごう)・解結(かいけつ)・奇正(きせい)・虚実によって転化した。

 古代中国の兵学思想がわが国に導入された奈良時代前後から、黄帝(こうてい)の兵井(へいせい)の法、諸葛孔明(しょかつこうめい)の八陣(はちじん)の法、孫子(そんし)の九地(きゆうち)戦法および結営(けつえい)法、李衛(りえい)の五行(ごぎょう)の陣法などが相次いで伝えられ、一部でその調習も行われた。平安~鎌倉時代には大江匡房(おおえのまさふさ)らによって知識人の間に「孫子」が流行し、陰陽・天文思想と結合して軍配(ぐんばい)の思想が成立した。こうして鎌倉末~南北朝時代に集団白兵戦が盛んになると、総大将を中心にして、鳥雲(ちょううん)、魚鱗(ぎょりん)、鱗懸(うろこがかり)、鶴翼(かくよく)、長蛇(ちょうだ)、偃月(えんげつ)、彎月(わんげつ)、周淵(しゅうえん)などの陣法がとられるようになった。戦国時代に入り、甲州武田氏は孔明の八陣図に擬した八陣法を考案し、車懸(くるまがかり)の戦法を得意とした。そして戦国末期、戦闘の地域や規模が拡大すると、行軍と陣押(じんおし)に有利な本陣旗本備(はたもとぞなえ))を中核とする五手先(ごてさき)の体制や、さらには九軍制がとられるようになった。

[渡邉一郎]

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普及版 字通 「軍陣」の読み・字形・画数・意味

【軍陣】ぐんじん

陣営。

字通「軍」の項目を見る

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