呵刈葭(読み)かかいか

精選版 日本国語大辞典 「呵刈葭」の意味・読み・例文・類語

かかいか【呵刈葭】

  1. 江戸後期の語学・国学書。二巻。本居宣長編。寛政二年(一七九〇)頃成立。宣長と上田秋成が論争した往復文書を宣長が問答体にまとめたもの。上巻古代音韻をめぐる応酬一六条、下巻に宣長の「鉗狂人」に対する秋成の意見六条とその反論が加えられている。後者は「日の神論争」として知られる。両者の思想的立場を知る上での好個の書。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の呵刈葭の言及

【上田秋成】より

…86年(天明6)のころ,日ごろ不信を抱いていた伊勢人本居宣長に対して,その著書《鉗狂人(けんきようじん)》の評を中心に,その皇国絶対化の思想を激しく批判し,宣長もこれに尖鋭に応酬した。これが《呵刈葭(かかいか)》(1788成立)にまとめた,宣長・秋成論争である。この論争に嫌気がさしたこと,健康を害したことなどの理由で,この年にわかに医を廃業し,大坂北郊の淡路庄村に隠遁した。…

※「呵刈葭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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