唐土船(読み)モロコシブネ

デジタル大辞泉 「唐土船」の意味・読み・例文・類語

もろこし‐ぶね【唐土船】

中国の船。からぶね。
「思ほえず袖にみなとのさわぐかな―の寄りしばかりに」〈伊勢・二六〉
中国へ使いする船。また、中国との貿易船。
「―出だし立てらる」〈宇津保・俊蔭〉

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精選版 日本国語大辞典 「唐土船」の意味・読み・例文・類語

もろこし‐ぶね【唐土船】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中国の船。からふね。
    1. [初出の実例]「其年きたりけるもろこし船のわうけいといふ人のもとに文をかきて」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  3. 中国へ使いする船。遣唐使船。
    1. [初出の実例]「としかげ十六才になる年、もろこし舟いだしたてらる」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
  4. 中世、中国との貿易にあたった船。からふね。
    1. [初出の実例]「もろこし船のともづなは、卯月さ月にとくなれば」(出典:平家物語(13C前)三)

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