剰余群または因子群 factor groupともいう。 G を群,N を G の1つの正規部分群とし,G における N の剰余類であるような元全体の集合を G/N で表わす。正規部分群に関しては右剰余類と左剰余類の区別がなくなるから,これは N のおのおのの剰余類を1つのものとしてみるわけである。すなわち,G/N={Na=aN|a∈G} である。いま2つの剰余類を Na ,Nb とするとき,その積を Na・Nb=Nab のように定義すれば,これもまた,G における N の剰余類になる。そこで,この積を G/N における乗法と定めれば,G/N は,N を単位元,Na-1 を Na の逆元として群をつくる。これを正規部分群 N による剰余群,あるいは N を法とする商群という。