朝日日本歴史人物事典 「喜多川相説」の解説
喜多川相説
江戸前期の画家。姓は喜多川。「伊年」印を使用する俵屋工房の画家で,画風からみて俵屋宗雪より次世代の17世紀後半を中心に活躍したと推定される。72歳の高齢まで存命し,法橋に叙せられているほかは,伝記に関してはほとんど不明。前代までのような金地濃彩の重厚な草花図に代わって,墨画淡彩の瀟洒な草花図を得意とし,屏風の1扇ごとに独立した構図をとる押絵貼屏風の作品も多い。代表作「四季草花図屏風」(根津美術館蔵),「草花図屏風」(クリーブランド美術館蔵)。<参考文献>山根有三ほか編『琳派絵画全集 宗達派2』
(仲町啓子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報